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吉川林産興業株式会社

吉川家と林業History

吉川重吉卿と吉川林業 ~吉川林業の沿革~



吉川長吉卿
 吉川家が基本財産として大面積の山林を購入し、林業経営に着手した由来は、分家の吉川重吉(ちょうきち)卿の献策によるものである。
 重吉卿は、安政6年旧岩国藩主吉川経幹卿の第三子として生まれ、明治4年13歳の時に岩倉具視卿の欧米視察の一行に随ってアメリカに渡り、同16年25歳でハーバード大学を卒業するまで勉学を続け、卒業後ヨーロッパ諸国を歴遊して、帰国後は外務省に勤務、同20年にドイツのベルリン大使館に着任したがのち研学のため官を辞した。
 同23年に帰国し、24年に分家を創立して、男爵を授けられ、貴族院議員として活躍し、大正4年57歳で没せられた。
 長吉卿は、明治26年に家憲を作られているが、その中に林業家にとって貴重な教訓が含まれている。
 英国では、旧領主や大地主はその土地に住んで住民の良き指導者、相談相手になるのが先祖や住民に対する責務であるとされており、永住できない事情が生じても、本邸は旧領土や所有地に置き、毎年何回か帰郷して土地や住民に親しむことが貴族(身分の高い家)に生まれた者の当然の義務であると、ヨーロッパ諸国では共通の考えであることに感銘した重吉卿はこれを吉川家家憲に入れ、自らも岩国に本邸を置いていた。
 また、吉川家として永続的な繁栄を図るために資産を三種に分け

 第一資本金=先祖より継承した資産は家に属するもので、繁栄永続を図るために家長の意志で分割又は自由に処理してはならない。(その運営方法やあげた利潤の使途についての規定もあるがそれは省略)

 第二資本金=家の経常費、生活費、交際費、慈善事業等の寄附金、雑費等に充てるための資金でできるだけ利潤をあげる運営をすべきであるが、安全も考慮して投機に類するものは禁ずる。

 予備基金=現金、又は換金しやすいものを若干準備する。


とし、重吉卿はヨーロッパ諸国の旧領主や貴族が安全確実な基本財産として、森林を世襲財産として保有している例が多いことを知って、吉川家に対して、第一資本金にあたるものとして森林が最適であると進言され、それが容れられ、明治36年隅家から木谷山林が購入され、吉川家の林業経営がはじまった。

吉川林業の経営


 経営山林は、山口県岩国市錦町広瀬木谷(通称木谷山林)2,090ha,
島根県鹿足郡吉賀町蓼野(通称王泊山林)261ha、東京都西多摩郡奥多摩町(通称奥多摩山林)56ha、計2,407haの面積を擁し、3都県に所在している。
 木谷山林と王泊山林は地続きであり、その所有は木谷山林の沿革で示すように、吉川林産興業2,129ha、吉川家222haとなっており、吉川林産興業鰍ナ一括管理している。両山林合せて2,351haの面積の内、約57%の1,340haが人口造林地である。人口造林地の85%はヒノキで、スギ14%、その他1%である。
 現在収穫している材の大部分は構造材用の中小丸太(計画伐期は55年以上)であるが、一部ヒノキ造作材用のの大径木生産を考慮して、伐期を標準伐期の概ね2倍以上(70年以上)とした林分の造成を考え施業を行っている。
 奥多摩山林は天然広葉樹林で林道等基盤整備の遅れもあり未開発のままの状態である。

木谷山林

ブナの原生林

吉川木谷山林の沿革


木谷事業所の職員



冬の木谷事務所
 長吉卿の進言により、吉川家の基本財産として森林を保有することとなり、明治の後半、岩国市北部(旧玖珂郡北部)一円を探索の末、隅家より木谷山林を購入することとなった。
 この木谷山林は、旧長州藩の御立山であったものが明治維新の際に官林となり、明治6年隅 仙之介氏に払い下げられて管理中のところを、明治36年、大正3年、明治8年と数回にわたり隅家より購入した。さらに、昭和13年には接続地である島根県王泊山林を追加購入し、東西3km、南北約8kmの木谷川の流域、そして王泊山林を加えた、現在2,351haの(平成以降追加購入した民有林地を含む)面積を擁する一団地の林業地となった。
 平成2年10月30日には、経営の分散化を防ぎ、森林の公益性、経営の永続性を維持するため、「山林の現物出資法人成税制」の特例を活かして、当初2,045haの山林を現物出資(立木のみ)し、有限会社吉川林業を設立し法人組織による林業経営をスタートさせた(その後増資や、新規買入により2,122haとなる)。平成21年4月1日からは、更なる経営の合理化を図るため、給g川林業は吉川林産興業鰍ヨ吸収合併され現在に至っている。
 木谷山林内には関係者45名、約200haの吉川家以外の所有の山林が所在するが、これらの林家と強調して協業体組織を設立し(昭和54年3月)、造林育林の施業を地域ぐるみで進めてきた歴史がある。平成13年8月の森林法改正に伴い、平成14年11月から吉川林産興業鰍ェこれら林家と10年間の森林施業受託契約を交わし、公益的な機能の高い木谷川流域に所在する山林の一体的な施業に取り組んでいる。

吉川林産興業株式会社

〒740-0724
山口県岩国市錦町広瀬4979番地

TEL 0827-72-2158

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